プログラマ経験もなくWebエンジニアを目指す場合に、PHPの学習で苦労する人が少なくないようです。もっとも物事の学習には大抵の場合、いくつかの段階があり、基礎を学ばないままいきなり上を目指すと挫折してしまいます。大切なのは自分のレベルを弁えて、順を追って学習を継続して行くことなのです。
まずはノンプログラマであれ、PHPの学習の前段階として、プログラミングの基礎が必要です。初心者がつまずくのは、条件分岐やループや配列といった特有の概念であり、先に進むためにはその理解が必要です。本によってはPerlやRubyを題材にしていても、PHPを学ぶ上での基本的な部分は同じなので、まずはプログラミングに関する定評のある本を選ぶと良いでしょう。そもそもPHPの入門書に限っていえば、中々良書にめぐり合うことが難しいようです。というのもPHPを分かりやすく説明しようとすると、1000ページほどの大部な書物が出来上がってしまい、「入門書」にしては手軽とはいえないので流通しにくい、といった背景がありそうです。かといってその半分ほどのボリュームの本では、広く浅く解説するのが精一杯で、肝心のPHPに辿り着くことが出来なくなってしまいます。そこで前提となる知識は別途習得するとして、PHPの入門書としてはPHPだけに限った内容のものを選ぶ方が良いでしょう。
またPHPとはWebサーバーの中で動作する言語なのですが、WebブラウザとWebサーバーにおける通信はHTTPプロトコルに基づいて行われるために、このHTTPプロトコル、その中でもヘッダー情報を理解しておかなければなりません。このヘッダー情報を正しく理解していなければ、クッキーやセッションやheader関数などが分からなくなってしまうのですが、PHPの入門書にもこの辺りの知識はあまり詳しく解説されていないため、初心者の挫折ポイントになっているようです。このようにPHPを理解するのが難しい原因は、このHTTPの他にも、UNIXコマンドやviエディタやデータベースや正規表現などといった、様々な周辺技術を習得しなければならないという点にあります。
さてHTTPの理解の他にもUNIXコマンドやviエディタに触れてみながら、下準備がある程度整ったところで、ようやくPHPの入門書を紐解くことになります。しかしなんといってもインプットだけでは理解したことにはならないのであり、アウトプットも必要です。そこでカテゴリーで記事を分類するブログを作成してみると良いでしょう。なお正規表現やデータベースについても、やはり別途学習が必要です。