今や身の回りに電子機器が溢れ、家庭内であっても会社内であっても、外出先であっても、パソコンやタブレットを手放すことが出来ない時代になっています。その分、これらのネットワーク上に溢れる様々なサービスを安全で快適に提供し続ける上で必要な、システム開発やメンテナンスのための人材が不足しています。
昔からIT業界ではプログラマ25歳説が囁かれていましたが、現実にはそぐわないようです。もちろん世の中のIT化が着実に進んで、それと共に第一線で活躍してきたエンジニアも順次管理職へと移行していかざるを得なかったり、次々と新しい技術が生まれており、流行り廃れのスピードが極端に早い中でエキスパートとして活躍し続けることが出来る人が限られているということもあります。また現実問題として、体力的に40歳を前にして徹夜続きの開発現場では身がもたないといった労働環境もありますので、35歳定年説には頷くことが出来る面もあるようです。
それにもかかわらず社会はより高度なIT化へと進んでいるため、このビジネスチャンスを逃すまいとばかりにWebサービスを自社開発しようという企業が増えていたり、大手企業が優秀なIT人材を抱え込んでしまったために、中小規模のIT関連企業にエンジニア不足が起きていたり、という形でエンジニアにとって売り手市場になっています。もちろん新卒や第二新卒でたとえ未経験であっても、採用後に自社で経験を積ませながらエンジニアとして育てようと考える企業もありますが、現場に出れば即戦力を求められるという募集案件が大多数を占めています。そのため未経験からエンジニアを目指すためには、それなりのハードルの高さを覚悟しなければなりません。クライアントからの要求水準は日に日に高まっており、また現在主流であったり基準となっている技術や知識も、どんどん変わって行きます。現場での柔軟な対応を求められるエンジニアの世界において、未経験でも基本的なプログラミング言語の習得など、出来る限りの下準備は欠かせません。
ネコの手も借りたいという事情はあっても、そこで敢えて未経験者をエンジニアとして採用しようという企業は、その人となりを判断する他ありません。たとえ仕事としては初めてであっても、簡単でも良いので自分なりにシステムを開発した経験があるとか、Webサイトを自分で立ち上げて運営しているとか、何らかの目に見える成果があれば、その人の現時点での実力ややる気がわかります。またそのような経験は、今後プロのエンジニアとして開発現場で作業を進める上で襲ってくる、数々の困難に立ち向かう原動力になることでしょう。なによりやる気と根気が求められるのです。